事業概要

「日本の社会が抱える課題」このテーマで皆さんは何が思い浮かぶでしょうか。

少子化、超高齢化、地球温暖化、異常気象、廃棄ロスなど様々な課題が挙げられると思います。
ご存知の通り、これらの課題は皆さんの身近な生活や経済活動に、悪い影響をおよぼすほど深刻化しており、徐々に迫るリスクへの不安を日ごろ感じている方も多くいることでしょう。
それに加えてコロナウイルス感染症拡大による世界のパンデミック。
世界中に大きな衝撃を与え、これまで当たり前だった私たちの行動は制限され、生活様式が一変する事態となりました。
日本ではデジタル化の遅れが叫ばれ、コロナの影響で増々複雑化していく課題の解決に向けて、テクノロジーを活用する動きが活発化しています。

デジタル化と言えば平成を象徴する「ＩＴ革命」のインパクトは大きかったと思います。
インターネットを活用した「Society 4.0（情報社会）」が推進され、高速な通信インフラが整備されていき、今ではクラウドサービスなどが充実し、スマートフォンがあればいつでもどこでも情報を得られる便利な環境になっています。
９０年代の生活環境を思い出してみてください。
現在と比べてみると驚くべきスピードで技術が向上し、豊かな環境になっていることが分かります。

一方でスマートフォンを持たない人にとって、今のこの環境はどのように映っているのでしょう。
デジタル化の遅れを感じているでしょうか。
ではなぜこのような環境が準備されている時代に、スマートフォンを持たない人がいるのでしょう。
「使いこなす自信がない」「個人情報が盗まれるのが怖い」など理由は様々であり、リスクを考えた上で「持たない・使わない」というのも一つの選択肢です。
これまで発展してきた「Society 4.0」の基本的な考え方は、デジタルツールを使いこなし、サイバー空間に存在する情報を検索する必要があり、個々の知識や能力に頼る部分が大きく、これが壁となり情報格差が生じていると私は考えています。

急速な発展の陰で置き去りにしてきた何かがあります。
本来使わなければいけない人が、デジタル化の享受を受けていないのが問題です。
「弱者に寄り添ったデジタル化」が必要なのです。
平等でない格差を放置しておけば不満が蓄積され悪循環に陥ります。

冒頭に挙げた日本の社会が抱える様々な課題。
いずれも情報格差が生じたままでは解決が難しいと考えています。

では、この格差を縮めるにはどうすればよいのでしょうか。

これから目指す社会は「Society 5.0」の世界

「Society 5.0」とは
「サイバー空間（仮想空間）とフィジカル空間（現実空間）を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会」と定義されています。

テクノロジーを活用し人が中心となって、活力ある豊かな生活を営んでいく社会だと私は解釈しています。

「Society 5.0」では、人とモノを繋げるIoT（Internet of Things　モノのインターネット）がさらに進み、人では到底検索や解析することができないほどの膨大な量のデータ（ビッグデータ）をサイバー空間上に蓄積していきます。
情報の検索や解析はＡＩが処理し、人が必要とする情報は必要な時に提供されるようになります。
個々の知識や能力に頼らず、誰でも簡単に必要な情報を得ることができます。
前述の「Society 4.0」の弱点でもあった情報格差を縮めることが可能になります。

そして「Society 5.0」は世界中で取り組んでいる「SDGs（持続可能な開発目標）」へと繋がっていきます。
「環境・経済・社会」すべてにおいて、その活動を加速させるためにテクノロジーの活用が必要であると言われています。

だれもが平等にテクノロジーの恩恵を享受できる、情報格差が生じないシステムの普及と、環境にやさしい持続可能な地域社会の実現に向けこれからも努めてまいります。

みんなが幸せを実感できる、次世代に繋ぐ明るい未来の構築に一つでも多く貢献できれば幸いです。